——プロンプトの工夫で変わるAIの実力

お嬢様、本日はAIをより賢く使うための「プロンプトの工夫」について、紅茶を題材にご説明いたします。

また紅茶? でも確かに、セバスチャンの淹れる紅茶は、いつも絶品だもの。いいわ、聞いてあげる。

ありがとうございます。実はAIへのプロンプトというのは、まるで紅茶の注文の仕方と同じなのでございます。
プロンプト
紅茶を淹れる方法を教えて!

AIによる回答
紅茶を淹れるには、まずお湯を沸かし、茶葉をティーポットに入れ、お湯を注いで蒸らします。一般的には3〜5分程度蒸らしてからカップに注ぎます。
一般的で素っ気ない説明が返ってきます。

ふむふむ、なるほどね。でももっと美味しく淹れる方法が知りたいわ。

では、次のようにプロンプトを少し工夫してみましょう。
プロンプト
美味しい紅茶を淹れるための基本的な手順を教えて!

AIによる回答
美味しい紅茶を淹れるには、まず質の良い茶葉を選び、適切なお湯の温度(約95℃)で淹れることが重要です。ティーポットを温めてから茶葉を入れ、3〜5分蒸らしてからカップに注ぎます。また、新鮮な水を使うことも美味しさのポイントです。
少し詳しく、温度や茶葉の種類に触れるようになります。

あら、だいぶ詳しくなったわね。
でも、これだったら検索エンジンで調べるのとそう変わらないのじゃなくて?

たしかにその通りで御座います。
それでは、検索エンジンとの違いが分かりやすいようAIにベテラン執事として回答してもらいましょう。
プロンプト
あなたは長年仕えるベテランの執事です。お嬢様から、『最高に美味しい紅茶を用意してほしい』と頼まれています。お嬢様が満足するような紅茶を入れるための手順を、まるで執事として説明するように教えてください。また、紅茶を入れる際の特別なポイントや秘密のコツがあればそれも含めて伝えてください。

AIによる回答
かしこまりました、お嬢様。最高の紅茶をご用意する手順を、執事として心を込めてご説明申し上げます。
1. 紅茶の選定
お嬢様のお好みをまず確認するのが執事としての務めでございます。お好みの香りや風味(ダージリンの繊細な香り、アッサムの深いコク、アールグレイの爽やかなベルガモットなど)を事前に伺い、最高の状態の茶葉を選びます。新鮮で適切に保存された茶葉を使用することが肝要でございます。
2. お湯の準備
紅茶の味はお湯の質に大きく影響を受けます。理想は清らかな軟水を使用し、100℃に沸騰させた直後、数秒冷まして95℃程度にするのが良いでしょう。お湯を使う前に一度ポットを湯通しして温めておくことで、抽出温度を安定させる工夫も大切です。
3. 茶葉の量
茶葉は1杯あたりティースプーン1杯(約3g)が目安でございます。ただし、お好みの濃さに合わせて調整いたします。
4. 抽出の手順
1.温めたポットに茶葉を入れます。
2.適温のお湯を茶葉の上からゆっくり注ぎます。急いで注ぎますと、茶葉が踊る時間が短くなり、味が平坦になってしまいます。
3.ポットの蓋をしっかり閉め、3分から4分ほど抽出いたします。この時間を「黄金の時間」と心得て、お嬢様のためにじっくり待つのが執事の心得でございます。
5. サーブ
抽出が終わりましたら、ティーコジーを使用して保温しつつ、ポットを一度静かに揺らし、均一な味に整えてカップへ注ぎます。この際、ストレーナーを使用して茶葉を取り除くのをお忘れなく。
特別なポイント・秘密のコツ
1.茶葉の前に香りをお楽しみいただく
お湯を注ぐ前に茶葉の香りをお嬢様にお届けすることで、視覚だけでなく嗅覚の楽しみも演出いたします。
2.最後のひと工夫
お好みに応じて、ほんの少量の蜂蜜やミルクを添えることで、お嬢様だけの特別な一杯に仕上げることが可能でございます。
3.静寂と音
紅茶を淹れる際の音も大切に。お湯がポットを満たす「ぽたぽた」という音、お湯が茶葉を包む微かな「ざわざわ」音、こうした静寂の中の音が紅茶の体験をより特別なものにいたします。
お嬢様が笑顔を浮かべながら「美味しい」とおっしゃってくださる瞬間を想像しつつ、一杯一杯を心を込めて淹れさせていただきます。いかがでしょうか、お嬢様?
役割・目的・文脈を加えることで、まるで執事が語っているようなリッチな答えが返ってまいります。

まぁ!これほど違うものなの!? まるで本物のセバスチャンがAIに乗り移ったかのようだわ。

AIはとても優秀でございますが、使い方次第で力を出しきれないこともあります。 プロンプトに「誰が・誰に・どんな場面で・どう答えるか」を含めることで、回答が一気に洗練されるのです。

つまり「言い方次第で結果が変わる」というわけね。人付き合いと同じじゃない。

まさに、その通りでございます。AIもまた、こちらの意図をくみ取ってくれる相手。伝え方の工夫が大切でございます。

ありがとう、セバスチャン。
これから困ったときは検索エンジンではなく、AIにちゃんと“お願い”してみることにするわ。

それがよろしいかと存じます、お嬢様。プロンプトを工夫すれば、AIは頼もしい右腕となるでしょう。

それじゃあセバスチャン、次は「おいしいお茶菓子の作り方」も聞いてくれる?

……お嬢様、それは私が手作りいたしますので、どうぞごゆっくりおくつろぎくださいませ。